
数々の著名アーティストの写真やビデオ撮影で素晴らしい作品を作り続けている、LAのクリエイティヴ・チーム、モチーラの、B+とエリック・コールマンなど、LAをレップする写真家たちが撮影した、ストーンズ・スロウの歴代アーティストたちをフィーチャーした写真展が、この4月27日に行われました。
さらに、ストーンズ・スロウのアーティストの中でも、キャラ立ちが激しい(てか、キャラ立ってない人はいないけど)新旧メンツ:Jonwayne、Jonti、Gary Wilson、Madlib、ウルフ社長のパフォーマンスが見れるときたら、出かけない訳にはいきません。こんなにパフォーマンスのラインアップがひとり残らず楽しみなイベントってのも、そうそうあるもんじゃーありません(筆者比)。
LAの<Lot 613>という会場で、MOPLA(Month of Photography - Los Angeles)という写真コミュニティが主宰したこの夜のイベントのは、B+やエリック・コールマンなど、LAで活躍する著名な写真家の作品を、サイレント・オークションという形で展示。
そのオークションで集まった資金は、ルーシー基金という団体を通して、危機に瀕する 若者の写真プログラムに、そしてこの日のイベントのチケット代の一部は、癌と共に生きる若者写真家たちに教えるプログラムに募金されるのだそうです。
自分が成功したら、今度は後継者育成を支援。こういうことを積極的に、そして頻繁に行って未来のアーティストを支援する姿勢は、アメリカの本当に素晴らしいところ。
“J Dilla and Madlib in Brazil” by B+
しかも、わたしが今までの人生で見てきた写真の中で、最も心をつかまれ、引き寄せられた写真の一枚である、B+撮影の、J DillaとMadlibが黙々とブラジルで掘る写真も、オークション用の作品として展示。思わずあらためてじっくり見入って、夢の世界へしばしトリップしてまいました。
“Doom” by Eric Coleman
そして、鉄仮面の陰にひそむその目をいつまでも見つめながら、「この人はいったい何を考えているのだろう?」と、いろいろ想いを巡らせてしまう、エリック・コールマン撮影の、Doomの一枚も。
Joywayne in Cold Chillin’
サウンド・チェックの音に誘われて別室に移動してみると、そこには今日もサンダル姿のあのビートメイカーJonwayneが、黙々と機材をセッティング中。
実はしばらく前にストーンズ・スロウのオフィスにお邪魔した際に、ぬぼーっと(失礼w)現れた、なんと言いますか、木の根っこの切り株のような風貌というか、ムーミンの本に出て来そうなキャラの彼にお会いしたのです。
しかしその時は、ポーティスヘッドのジェフ・バロウ率いる男気溢れるビート集に、有名〜無名のMCたちがラップを乗せる、激萌え必至の名作『The Quakers』内に収められた、彼のラップ曲、”Smoke”を聴く前。
その夜、このアルバムの彼のラップを聴いて、思わず100キロくらい吹き飛ばされるような衝撃を覚えたのです。ストーンズ・スロウのオフィスで、「彼、ホワイト・ビギーって呼ばれてるんですよ」とスタッフの方にうかがった時は、「へー」としか思っていなかった自分の口惜しさといったら! だって、この切り株風の彼が(失礼w)、あんなラップをするとは!!!
この夜は残念ながらラップは披露しなかったようですが、得意の通好みなビートメイキングのパフォーマンスをピコピコと披露してくれました。LAの人気イベント、Low End Theoryでビートを発表しながらキャリアを積んで来たという、ラップもこなすJonwayne。もうすぐビデオも発表されるらしく、むっちゃ要チェックです!(彼はラップするときもこのサンダル姿だそうですが、ビデオの時はどうなのかしら???)
(((Jonti on the Move)))
続いてオーストラリアの新税、Jontiくん。エレクトロニックといういちジャンルではとても形容しきれない、まるで絵画を聴いているようなカラフルなアルバム『Twiligig』を発表した彼。オッド・フューチャーのホッジー・ビートとの共演曲”Nagoya“が話題になったことも、記憶に新しいところです。
最初はちょっと緊張気味な印象だったけれど、だんだん気分が上がって来たのか、リラックスして本領発揮。何種類もの機材のボタンやパッドをピコピコしたり、あっちのプラグを外してこっちにせっせと差し替えながら、ヘッドフォンをマイクのように使いながら。とても自由で、遥かなる銀河系のかなたの光景をミックスしたような、Jontiくんワールドへと誘ってくれました。(彼は眼鏡をかけると、ナード度が180%アップします)
The Lions on the GROOVE!
そして、最近いろんなジャンルのアーティストとの契約が目覚ましいストーンズ・スロウ勢の中でも、ひときわ珍しい存在と言える、ルーツ・レゲエに影響を受けた人種ミックスの11人(?)グループ、The Lions。
極上のパフォーマンス中も、彼のキュートな内股が気になって気になって・・・
CDを聴いていただけでは感じきれなかった高揚感、躍動感、そしてピースフルなエネルギーが、彼らのライブには満ち溢れていました。ストーンズ・スロウのアーティストの多くに見られる、いい意味で「懐かしいのに新しい」ヴァイブが、彼らからは顕著に流れているのです。そしてなんといっても、ライブがいい! 思わず「この世にライブ・レゲエより素晴らしい物があろうか!?」と叫びたくなるような、楽しいパフォーマンスを披露してくれました。
Madlibのセッティングを手伝うウルフ社長
そ、そ、そして、次に登場したのは、今夜の一番のお楽しみ、生Madlib。ウルフ社長に守られるように会場入りした彼は、以前の激痩せ時に比べると、だいぶ健康的な雰囲気。ウルフ社長のヘルプでPanasonicのCDJ(スクラッチ・ライブではないこの選択も、Madlibヲタには、たまらん!)のセッティングを終了。
マドリブのパフォーマンスにしては珍しく客数が少なかった、ある意味贅沢と言えるこの夜。彼のDJミュージックで踊って楽しむというよりは、Madlib教祖様の一挙一動をこの目で目撃したい、といったファンたちが、ターンテーブルの周りを取り囲んで、かぶりつきで彼が織りなす独自の選曲やミックス、サウンドの流れにすっかり身を委ねていました。
コメディ・スキットになりきりMadlib
クラシックなコメディを多用サンプルする彼が、そのスキットを口パクや手振りで面白おかしく演技してみせる姿にも、ふだんはシャイな人だけに、ファンとしてはハートを釘付けに♡
ウルフ社長の登場!
そして1時間弱の夢のような時間を過ごした後、ウルフ社長がスクラッチ・ライブをセッティング。ダンスパーティー・ファナティックにはたまらない選曲で、会場のオーディエンスたちを、ファンキーに仕立て上げていました。
one & only, Gary Wilson & his band
そして、この夜のもうひとつのお楽しみが、あのJames Pantsが大絶賛する、変人度250%(褒め言葉)の大ベテラン、Gary Wilsonのライブバンド演奏。アルバム・ジャケットを彷彿とさせるむっちゃクレイジーな衣装をまとったバンド・メンバーたちが、アーティスティック&ファンキーなLAの夜を彩ってくれました。同席した友達の「この年齢のアーティストがサポートされていることに感動」という言葉にも、本当に納得。
最後に、友達やファンとチルしているMadlibに、「一緒に写真を撮っていただけないかしら」とお願いして撮影していただいた後に、感極まって、ベタに”I love your music soooooooo much!”と彼に伝えると、”I remember you”、の嬉しいひとこと。過去のイベントで、「あなたの”The Heist“という曲がクレイジーで大大大好き♡」と何度もしつこく伝えたことを覚えていてくれたのか。そんなことを耳元で囁くアジア系ヲタ女子も、そうそういないのだろうけれどww
まるで、わたしのためにカスタムメイドで作られたのではないかしら、と思えてしまうような素敵な写真&音楽イベント。LAの多様性と寛容さ、ウルフ社長の耳の鋭さに、あらためて感謝、感激の夜となりました。
text & photo (except for the event flyer) by Keiko Tsukada (塚田桂子)
bmr.jp




